【住宅購入中の方必見】住宅図面の見方完全ガイド|ハウスメーカーとの打合せで困らないために

今回はこれから家を建てたい方、家の購入を検討されている方向けの記事となっております。
こんな悩みを考えたことはないでしょうか?
「図面を見せられても、正直よく分からない…」 「ハウスメーカーの営業さんの説明についていけない…」
家づくりを始めたばかりの方なら、誰もが感じる不安です。
でも大丈夫!図面は決して難しいものではありません。
基本的な見方さえ覚えてしまえば、あなたも図面を見ながら理想の家について具体的に話し合えるようになります。
今回は、住宅図面の基本的な見方から、打合せで役立つチェックポイントまで、建築初心者の方にも分かりやすく解説します。
住宅図面の種類を知ろう
住宅を建てる際には、様々な種類の図面が作成されます。まずは代表的な図面の種類と、それぞれの役割を理解しましょう。
平面図(間取り図)
最もなじみ深いのがこの平面図です。建物を上から見下ろした状態を描いた図面で、部屋の配置や大きさ、ドアや窓の位置が分かります。
「LDK16帖」「洋室6帖」といった表記も、この平面図に記載されています。家族の生活動線や部屋の使い勝手を検討する際の基本となる図面です。
立面図
建物を正面、側面から見た姿を描いたのが立面図です。屋根の形状、窓の大きさや位置、外壁の材料や色が分かります。
「南立面図」「東立面図」のように、方位を示して描かれることが多く、外観デザインを確認する際に重要な図面です。
特に窓の位置が綺麗に揃っていたり、樋をうまく隠していたりと細かな配慮をすると外観が綺麗に見えます。
断面図(矩計図)
建物を縦に切って横から見た状態を描いたのが断面図です。天井の高さ、2階の床の位置、屋根の勾配などが分かります。
特に吹き抜けや勾配天井がある場合は、断面図を見ることで実際の空間の広がりをイメージしやすくなります。
平面図の基本的な読み方
縮尺を理解する
図面には必ず「縮尺」が記載されています。住宅の平面図では「1/100」や「1/50」が一般的です。
「1/100」は実際の100分の1の大きさで描かれているという意味です。図面上で1cmの長さは、実際には1m(100cm)を表しています。この縮尺を理解すると、部屋の実際の大きさをイメージしやすくなります。
縮尺に使い分けとしては、
1/100:間取り、家具、動線などの基本的な大枠部分を確認します。
1/50:1/100よりも詳細な図面を書く際に使われる縮尺です。(例:平面詳細図、各部納まり、家具図など)
部屋の表記と畳数
LDK:リビング・ダイニング・キッチンが一体となった空間
洋室:フローリングの部屋
和室:畳の部屋
WIC:ウォークインクローゼット
SIC:シューズインクローゼット
畳数は「帖」または「畳」で表記されます。
最近僕も知ったのですが「1帖」は約1.62㎡、「1畳」は約1.65㎡となるみたいです。
でも、これは設計者や地域で若干考え方が変わるので、実際にお願いしている所に確認すると良いかもですね!
※「帖」はイメージとして洋室です。なので「畳」は和室となります。
ちなみに「6帖」なら約10㎡の広さということになります。
ドアと窓の記号
図面上のドア、窓の近くに建具記号というものを用いて表現されることが多いです。
その内容は大きわけて3種類のことが書かれています。
①建具の種類(材質や窓orドア)
②建具のサイズ(表現方法の仕方が図面によって違うので確認必須です。)
③ガラスの種別
上記の3つです。
それでは一つずつ解説していきます。
①建具の種類(材質や窓orドア)
こちらは建具の材質がアルミ製なのか、木製なのか、樹脂製なのか
また、それが窓(サッシと言います。のでこれからはサッシと記載します。)なのか、ドアなのかを記載します。
表現方法はAW、AD、WW、WDなどの用に表現されます。
お店だったり、会社の事務所みたいな住宅ではない場合はこれに加えてSDという鉄製の建具も出てきたりします。
他には、ガレージをつける場合等でシャッターをつける場合SS(スチールシャッター)と表現されたりします。
窓は2本の平行線で表現され、その間隔が窓の幅を表しています。掃き出し窓(床から人が通れるくらいまでの高さがある窓)は線が太く、腰窓(腰の高さの窓)は線が細く描かれることが多いです。
もし、部屋のイメージが湧かなかったり、サッシの高さが適正なのか判断がつかない場合は、展開図という図面か、パースを作成してもらうと非常にイメージしやすいです。
設備図面の見方
電気設備図
コンセントやスイッチ、照明の位置を示した図面です。
また、この図面はこれから生活していく上で非常に重要な要素がたくさんあるのでしっかり、住んでみてのイメージをして打ち合わせを行ってください!
ここをおろそかにすると、どれだけデザインが良くても生活がしにくくなります。
コンセント:〇の中に縦線2本 (壁付けの場合は壁に付ける側が黒く塗られています。)
スイッチ:〇の中にSの文字(たまに黒丸のみの場合も見かけます。)
照明器具:〇や□の記号(図面のどこかに凡例というものがありそれを確認してもらうとわかると思います。)
※スイッチ、照明器具は結構設計者によって書き方が変わるイメージです。なので確認必須です。
生活する際の使い勝手に直結するため、家具の配置を想像しながらチェックすることが大切です。
機械設備図(配管図)
キッチン、お風呂、トイレ、洗面所などの水まわり設備の位置と、給水管・排水管のルートを示した図面です。
水まわりの変更は後から難しく、メンテナンスも容易にできるようにしておかないと、水漏れなどの問題にも気づきにくくなり、水漏れが原因で修繕費がとんでもないことになります。
また、上記のようにメンテナンスがしやすいだけを考えて配管するとデザインを損ねるのでデザインと機能性のバランスを考えながら打ち合わせをすることが大事です。
※一般の方がそこまで考えるのは難しいので、実際に検討している工務店、ハウスメーカー、設計事務所に尋ねるのが一番いいですね!
図面チェックの重要ポイント
生活動線を確認する
朝起きてから夜寝るまでの一日の動きを図面上でたどってみましょう。
- 朝の身支度:寝室→洗面所→キッチン
- 帰宅時:玄関→手洗い→リビング
- 洗濯:洗面所→干す場所→しまう場所
無駄な動きが多い間取りは、日々の生活にストレスを生みます。
収納の位置と量
各部屋にどのくらいの収納があるか、どこに何をしまうかを具体的に考えてみましょう。
- 玄関:靴、傘、コートなど
- キッチン:食器、調理器具、食材など
- 洋室:衣類、布団、季節用品など
収納が不足していたり、使いにくい位置にあったりすると、後から追加工事が必要になる場合があります。
採光と通風
窓の位置や大きさは、部屋の明るさや風通しに大きく影響します。
- 南向きの窓:一日中明るく、冬は暖かい
- 北向きの窓:安定した明るさ、夏は涼しい
- 東西の窓:朝日・夕日が入るが、夏は暑くなりがち
また、風の通り道を考えて、対角線上に窓があると効果的な通風が期待できます。
ハウスメーカーとの打合せで使える質問
図面を見ながら確認したいポイント
「この部屋の天井の高さはどのくらいですか?」 標準的な天井高は2.4m程度ですが、場所によって異なる場合があります。
また、個人的には全て天井高さを揃えるよりも緩急をつけると、広く感じたりできると考えています。
例えば、廊下は2.1m(建築基準法の最低高さ)で部屋を2.4〜2.7mにするなどすれば広がりを感じれますし、LDKのDとKの部分を2.4mにし、Lの部分を2.7mにするなどすると壁や建具はないのに、空間が分かれている状態になります。
「コンセントの高さはどこに設置されますか?」 床から30cm程度が一般的ですが、用途に応じて高さを変更できる場合があります。
「窓のサッシの色や材質は選べますか?」 外観の印象を大きく左右するため、選択肢を確認しておきましょう。
設備仕様について確認したいこと
「キッチンの高さは調整できますか?」 標準は85cm程度ですが、使う人の身長に合わせて調整可能な場合があります。
「お風呂のサイズは変更できますか?」 1.25坪、1坪など、標準サイズから変更可能か確認しましょう。
「床暖房はどの部分に設置されますか?」 リビング全体なのか、一部なのかによって快適性が変わります。
よくある図面の疑問と解決方法
「部屋が思ったより狭く感じる」
図面上では十分に見えても、実際は狭く感じることがあります。これは家具や生活用品を置くスペースを考慮していないためです。
解決方法:主要な家具のサイズを測って、図面上に配置してみる
「窓の位置が気になる」
プライバシーや近隣の建物との関係で、窓の位置を変更したい場合があります。
解決方法:構造上変更可能か、費用はどの程度かかるかを確認する
「コンセントの数が足りない」
現代の生活では多くの電化製品を使うため、コンセントの数が重要です。
解決方法:各部屋でどんな電化製品を使うかリストアップして、必要数を計算する
図面を活用した家づくりのコツ
現在の住まいを参考にする
今住んでいる家の間取りを測ってみて、どの部分が使いやすく、どの部分に不満があるかを整理しましょう。それを新しい家の図面と比較することで、より具体的な要望が見えてきます。
将来の変化を考える
子どもの成長、親との同居、在宅勤務など、将来のライフスタイルの変化も考慮して図面をチェックしましょう。間取りの変更ができる構造かどうかも重要なポイントです。
モデルハウスと図面を照らし合わせる
可能であれば、同じような間取りのモデルハウスを見学して、図面と実際の空間を比較してみましょう。図面だけでは分からない空間の広がりや使い勝手を体感できます。
まとめ
住宅図面の見方は、最初は難しく感じるかもしれませんが、基本を覚えてしまえば決して難しいものではありません。平面図の読み方、設備の記号、生活動線のチェックポイントなど、今回ご紹介した内容を参考に、ぜひ図面と向き合ってみてください。
図面が読めるようになると、ハウスメーカーとの打合せがより充実したものになり、理想の家づくりに一歩近づけます。分からないことは遠慮なく質問して、納得のいく家づくりを進めていきましょう。あなたの理想の住まいづくりを心から応援しています!