建築雑学
PR

【世界の建築雑学】【エジプト編#3】古代エジプト建築が現代を変えた!5000年前の技術が生み出す未来の建築

いろり
記事内に商品プロモーションを含む場合があります。

古代エジプトの建築技術は、単なる歴史的遺産ではありません。現代の超高層ビルから宇宙建築まで、5000年前の古代エジプトの叡智が現代技術の最前線で活用されているのです。今回は、古代と現代を結ぶ驚くべき技術の系譜と、未来建築への影響をご紹介します。現代建築の常識を覆す古代の先進性に、きっと驚かれることでしょう。

1. 現代の超高層ビルはピラミッド構造を応用している

世界一高いビルとして君臨するドバイのブルジュ・ハリファ(828m)は、その構造設計においてピラミッドの原理を現代的に応用しています。建物は下部が広く、上部に向かって段階的に細くなる「セットバック構造」を採用しており、これはまさにピラミッドの構造原理そのものです。

この設計により、風荷重を効率的に分散させ、地震や強風に対する安定性を確保しています。設計チームは明確にギザの大ピラミッドを参考にしたと公表しており、古代エジプトの「重心を低く保ち、荷重を分散する」という基本原理が現代の超高層建築に生かされています。

同様の原理は、東京スカイツリー(634m)にも応用されており、下部の正三角形から上部の正円への変化は、古代エジプトのオベリスクの形状変化からヒントを得ています。

2. NASA火星基地計画に古代エジプトのドーム技術が採用

NASAが進める火星有人探査計画では、居住施設の建設に古代エジプトのヌビア・ドーム技術が検討されています。この技術は、アスワン地方で4000年以上前から使われている、支保工(つっかえ棒)を使わずにドームを建設する画期的な工法です。

火星では重機の使用が困難なため、最小限の道具と材料で建設できるこの古代技術に注目が集まっています。実際に、火星を模擬した環境での実験建設も行われており、古代エジプトの職人が編み出した技術が宇宙開発の最前線で活用されています。

また、火星の砂嵐や放射線から身を守る必要があるため、厚い壁を持つ古代エジプト建築の防護理念も参考にされています。

3. 現代の免震技術は古代神殿の「浮き石」がルーツ

日本の免震建築技術のルーツの一つは、実は古代エジプトの神殿建築にあります。サッカラの階段ピラミッド周辺の建造物では、地震の揺れを吸収するために石材間に「浮き石」と呼ばれる緩衝材が挟まれています。

この原理は、現代の免震ゴムや制震ダンパーの基本概念と同じです。1995年の阪神・淡路大震災後、日本の建築技術者が古代エジプト建築を研究し、その防災技術を現代建築に応用する試みが本格化しました。

現在、東京の多くの超高層ビルで使用されている「制震システム」は、古代エジプトの「揺れを逃がす」という基本思想を高度に発展させたものです。

4. 古代エジプトの冷房システムが中東の現代建築を支えている

前回の記事でも触れた古代エジプトの「マルカフ」(風採り塔)は、現在でも中東諸国の現代建築で広く活用されています。特に、環境意識が高まる現代において、電力を使わない自然冷房システムとして再評価されています。

ドバイの「マスダール・シティ」は、2030年までに完成予定のゼロエミッション都市ですが、その建物設計には古代エジプトのマルカフ技術が大幅に取り入れられています。現代の流体力学とコンピューター解析により最適化された風採り塔が、都市全体の自然冷房システムの中核を担っています。

また、イランの伝統的な「バードギール」(風採り塔)も、古代エジプトの技術がシルクロードを通じて伝播したものとされ、現在イランの現代建築で見直されています。

5. AI技術が解明した古代エジプト建築の「黄金比システム」

最新のAI画像解析技術により、古代エジプト建築における黄金比の使用法則が詳細に解明されました。これまで「なんとなく美しい比率」とされてきた黄金比が、実は複雑な数学的システムに基づいていたことが判明しています。

この研究成果は、現代建築の「パラメトリック・デザイン」に革新をもたらしています。コンピューターアルゴリズムに古代エジプトの比率システムを組み込むことで、人間が直感的に美しいと感じる建築デザインを自動生成することが可能になりました。

現在、この技術は大型商業施設や公共建築のデザインに活用されており、古代エジプト人の美的センスが現代のAI建築デザインを支えています。

6. 量子コンピューターで解析された古代エジプトの音響設計

IBMの量子コンピューターを使用して、古代エジプト神殿の音響特性が詳細に解析されました。その結果、神殿の設計が現代の音響工学理論を5000年も先取りしていたことが科学的に証明されました。

この研究成果は、現代のコンサートホールや劇場設計に革新をもたらしています。特に、カルナック神殿の音響特性を分析した結果は、東京の新国立劇場やパリのフィルハーモニー・ド・パリの設計に直接反映されています。

また、古代エジプト神殿で発見された「共鳴周波数による治癒効果」の研究は、現代の音響療法や病院建築の設計にも応用されています。

7. 3Dプリンター建築が古代エジプトの「石材加工技術」を再現

最新の3Dプリンター建築技術開発において、古代エジプトの精密な石材加工技術が重要な参考資料となっています。ピラミッドの石材間の隙間0.5ミリという精度を、現代の3Dプリンターで再現する試みが世界各地で行われています。

オランダのアイントホーフェン工科大学では、古代エジプトの石材配置パターンを3Dプリンター用のアルゴリズムに変換し、従来よりも強度の高いコンクリート建造物の製造に成功しています。

また、火星建設を想定した3Dプリンター建築では、限られた材料で最大の強度を実現する古代エジプトの「積み上げ技術」が参考にされています。

8. 現代の「スマート建築」制御システムに古代神殿の「環境適応」概念を応用

古代エジプトの神殿は、季節や時刻に応じて自動的に環境を調整する「スマート建築」でした。太陽の位置による採光制御、風向きによる自然換気、さらには湿度調整まで、建物自体が環境に適応する仕組みが組み込まれていました。

この「建物の自律的環境制御」という概念は、現代のIoT(Internet of Things)建築システムの基本思想となっています。Google本社やApple Parkなどの最新オフィスビルでは、古代エジプト神殿の環境適応原理をAIとセンサー技術で高度化したシステムが使用されています。

建物が自らの状態を感知し、自動的に最適な環境を維持する「自律建築」の概念は、5000年前の古代エジプト人が既に実現していたのです。

9. 宇宙ステーション設計に古代エジプトの「閉鎖循環システム」を応用

国際宇宙ステーション(ISS)の次世代版である「Lunar Gateway」(月軌道ステーション)の設計において、古代エジプト神殿の閉鎖循環システムが参考にされています。

古代エジプトの神殿は、外部との接触を最小限に抑えながら内部環境を維持する「閉鎖生態系」でした。神殿内での空気循環、水の浄化、廃物処理などの循環システムは、現代の宇宙建築設計の重要な参考資料となっています。

NASAの研究チームは、古代エジプト神殿の環境制御方法を分析し、電力消費を最小限に抑えながら長期間の居住環境を維持するシステム開発に成功しています。

10. 古代エジプトの建築材料が「自己修復コンクリート」開発に貢献

オランダのデルフト工科大学で開発された「自己修復コンクリート」は、古代エジプトのコンクリート分析から生まれた革命的技術です。4500年前のピラミッドで使用されたモルタルが現在でも強度を保っている理由を解析した結果、特殊な微生物の存在が判明しました。

この古代の微生物を現代のコンクリートに応用することで、ひび割れが発生すると自動的に修復する「生きるコンクリート」が開発されました。このコンクリートは、建物の寿命を従来の50年から200年以上に延長することが可能です。

現在、この技術はオランダの海洋構造物から始まり、世界各地のインフラ整備に応用されています。古代エジプトの「時間とともに強くなる」建材の秘密が、現代インフラの耐久性革命を起こしています。

まとめ:古代エジプトが描く建築の未来

5000年前の古代エジプト建築技術が、現代の最先端技術と融合して新たな建築革命を生み出しています。AI、量子コンピューター、3Dプリンター、IoT技術などの最新技術により、古代の叡智がより深く理解され、未来建築の基盤となっているのです。

古代エジプト人が追求した「永続性」「環境調和」「機能美」という建築理念は、持続可能な社会を目指す現代にこそ必要な思想です。地球環境問題、エネルギー危機、人口増加といった現代の課題解決に、古代エジプトの建築技術が重要な鍵を提供しています。

宇宙開発、環境建築、スマートシティ、そして火星植民地まで、人類の未来を支える建築技術の根底には、5000年前のナイル川流域で花開いた古代エジプトの建築革新があります。ピラミッドを見上げる時、そこには過去の偉大さだけでなく、人類の未来への道標が刻まれていることを感じてください。

古代エジプト建築は終わったものではなく、今もなお進化し続け、私たちの未来を形作る生きた技術なのです。次世代の建築家たちは、古代ファラオたちと同じように、永遠に残る建築の創造に挑戦し続けています。

ABOUT ME
いおり
いおり
建築士/二児のパパ
現役の建築士です。
これから建築士の目線で物事を見ていき、解説、紹介等の発信をし、建築が少しでも面白いと思っていただければと思います。

また、二児のパパもしているので、その視点での発信もできたら良いなと思います!

Amazonのアソシエイトとして、建築座は適格販売により収入を得ています。
記事URLをコピーしました